引用元:胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(80)

840: (1/3) 2009/08/17(月) 17:56:25 ID:/XIQ1PfS
武勇伝というか…、高校での部活の下克上みたいなモンなんだが。

高校に入学した俺が入部したのは
その年に発足した2年生が主将を務める柔道『同好会』だった。
2年生の部員は主将を含め全部で、6人。
1年生は12〜3人ぐらいだったろうか?

主将をのぞく5人がヤンキーグループに属していた。
おそらく、3年生がいないので、羽を伸ばせると思ったんだろう。

格闘技が好きってだけで、特に2年生の部員を確認せずに入部したため
全く気が付かなかった。

2年のヤンキーたちは当然まじめに練習するわけでもなく
練習前などに無抵抗な1年生を投げたり締めたりとして遊んだりしていた。
練習中も、下手にこちらが技をかけようモンなら
小声で「殺すぞ」等と脅し、無抵抗になったところを投げ飛ばしたりしていた。

だが、顧問が厳しい人(平気で鉄拳制裁するような人だった)だったこともあり
1年イジメにも飽きてきたんだと思う。
だんだん、主将以外の2年生は必修クラブ以外の部活に参加しなくなった。

俺らといえば、顧問が担任だったということもあり
休もうモンなら次の日の朝、教室にてぶん殴られるので、毎日部活に参加していた。
一年がたち、俺たちは2年生となり、同好会も『部』へと格上げとなった。

主将をのぞく3年生は、未だに必修クラブだけに参加し
俺たち2年生や新入部員に、一年前と同じように好き勝手やっていた。

そんなある日、事件が起こった。
練習終わりに、顧問と向き合うような形で正座しその日の総評などを聞くのだが
顧問がある部員に声をかけた。

「K、どうしたその顔」(『K』とは俺らと同じ2年生)
Kの方をみるとびっくりするくらい左の頬が腫れ上がり、どす黒く変色していた。
Kはしばらく何も答えなかったが、「乱取りの時ぶつけました」と答えた。
顧問は「そうか」と言うと、Kに保健室に行くよう指示し、その日は解散となった。

Kのことが心配だった俺を含む2年生数人は、校門のところでKを待っていた。
いくら練習中でもあんな傷ができるような出来事なら
誰かしら気づきそうなものである。

「あの傷ってほんとに乱取りの時にできたのかな?」と言うとMが答えた。
「乱取りの途中でKをO先輩が部室に引っ張っていくのを見た」と言うのだ。

841: (2/3) 2009/08/17(月) 17:57:08 ID:/XIQ1PfS
頬にガーゼを付けたKがやってきたので
話を聞くとやはり、O先輩に殴られたとのことだった。
どうやら乱取り中に、Kが積極的に技を仕掛けてきたのが気に入らなかったらしい。
Oは3年の中でリーダー的な存在、ヤンキーグループでは中くらいか。

今までの3年生の行動もあり、この出来事にかなりの怒りを覚えたが
相手は3年生でヤンキーグループの一員、何もできずにただムカムカとしていた。
また顧問にも、Kが殴られた傷だと気が付いていただろうに
いつもは厳しいくせになぜ何もしないのかとイラついたりもした。

3年生は相変わらず部活には現れず、事件から一週間がたった。
明日を必修クラブに控えた部活終わり、2年生の俺、Kを含む5人が顧問に呼び出された。

集まると顧問が「お前ら明日の必修クラブの最後、主将以外の3年生と
総当たり戦やるからそのつもりで。」と言った。
ポカンとしていると顧問はこう続けた。

「おまえら3年が気に入らないんだろう?
いいよ、思いっきりやって。
後でなんかあったら俺が必ず守るから。
力でお前らが上だってところを見せつけてやれよ。」

迷いはなかった。
全員「はい」と答えると部室へと戻っていった。

部室へ戻ると、話を聞いた下克上マッチに関係のない奴が
「仕返しされたらどうするんだ?」とネガティブなことを言う奴や
「いつまでもこのままでいいのかよ」と言う奴もいた。

正直勝っても負けてもあまり良いことにはならなそうだなぁと思いつつ
同時に3年に一泡吹かせてやりたいとも思ったりもした。

当日、下克上マッチを知っている2年以下は、何やら重苦しい空気を醸し出していたが
3年連中はそんな雰囲気にも気づかず、いつも通り、好き勝手やっていた。

一通り練習が終わると
「これから試合形式でやるから、全員赤畳みの外に出ろ!」と顧問がいった。
自然と下克上マッチに挑む2年生五人は、並んで座った。

新入部員同士や似たような階級同士で試合はすすみ
いつもは最後に行われる主将の試合も早々に行われた。
残るは下克上マッチのメンバーのみである。

ちなみにメンバーのスペック
2年生 俺60kg級、T66kg級、M60kg級、Y66kg級、K66kg級
3年生 D66kg級、S60kg級、I60kg級、U66kg級、O73kg級

842: (3/3) 2009/08/17(月) 17:57:49 ID:/XIQ1PfS
3年は自分たちだけ残っているのに気づいているのかいないのか
相変わらすふざけたりしていた。

そして、まず一人目、「俺とD、前に出ろ」と顧問が告げた。
う〜、まさか自分が先陣を切ろうとは
しかも相手は1階級上のDである、顧問は勝たせる気があるんだろうか?

立ち上がり、ほかの4人の顔を見ると皆もこちらを見ていた。
なんだか気合いが入り、腹を決めた。
俺は位置に着くと、Dを睨み付けた。

Dはへらへらしながらタラタラ歩いてきたが
俺がにらんでいるのに気づくと険しい顔し、何やら二、三呟いていた。

「はじめ!」顧問が下克上マッチにの開始を宣言した。
組み付いて来ようとするDの手を捌きながら、思いっきり出足払いを食らわした。
『バチーン』とかなり大きな音が道場に響いた。

それを聞いて3年が「お!『俺』調子乗ってるぞ!」とヤジを飛ばした。
俺はお構いなくまた出足払いをしかけ再び大きな音を立てた。

「いってぇな!」Dがかなり強引に組み付いてきた。
俺は冷静に奥襟と袖をつかみ、思いっきりぶん回した。
はじめて本気で組んでみたんだが、思った印象は『軽い』だった。

いくら生まれが一年違うとはいえ、ほぼ1年間練習してきた人間とそうでない人間
知らず知らずのうちにかなり地力が付いていたようだ。
技ではなくただDをぶん回し、場外へと放り投げた。

倒れはしなかったものの俺の挑発的な行為にかなり頭にきたのか
何やら「あ゛〜〜!!」とか叫びながらDが位置へと戻り俺を睨み付けた。
突然顧問が「遊んでねぇで決めちまえよ!」と怒鳴った。
Dはびっくりして顧問を見ていた。

再開されるとまた強引にDが組み付いてきた、と同時に出足払い仕掛けると
あっさりDは倒れた。

「一本!」
何とか先陣を飾ることができた。

この後も2年生は一本勝ちを重ね、Kも因縁のOから見事な一本勝ちを納めた。
その後、主将をのぞく3年生は部活に現れなくなり
気にしていた仕返しなどもなかった(ただ廊下で会うと睨み付けられたりはした)。

長すぎですね、すいません。

843: おさかなくわえた名無しさん 2009/08/17(月) 18:03:49 ID:iZ9VLeoz
これはスーッっとする話だねwGJ!!
相手も殴りかかったら逆にやられる、って分かってたから睨むしかできなかったんだねww